今、世界的にインフレが進んでいる状態ですが、
今から50年前の1973年の、石油危機(オイルショック)の状態も大変なものだったようです💦
今回からは、石油危機が起こった1973年10月からの数か月間の動きを、
当時の福井新聞をもとにして追っていきたいと思っています😣
※マンガの下に当時の記事の抜粋を載せました💦
※デノミについての記事
「大蔵省筋が明らかにしたところによると…円の固定相場制復帰のタイミングをとらえ政府が”デノミ実施”を宣言、1-2年の猶予期間を覆いて、円の呼称単位を切り下げる公算が大きい、と指摘している。
愛知蔵相がデノミ実施の検討を指示したのは、ここ10年来の経済成長の結果、国民総生産が100兆円(48年度)を超えるなど、通貨の表示単位が先進国では例を見ない規模に達していること、また対外的にもドル為替レートが3ケタの数字にのぼっているのはイタリアと日本だけ、などの理由によるものである。
…しかし、デノミにより商品の価格表示が、例えば370円から3円70銭になった場合、これを契機に端数を切り上げ、4円にするなど便乗値上げが予想され、物価政策上マイナスの効果を招く懸念がある。
また会社の帳簿の評価替えなど複雑な手続きが必要とされ、国民が新しい通貨にすぐなじめるかどうかなど、国民経済的に大きな影響と混乱も予想される。
さらにデノミについては、2年前、当時の水田蔵相が円切り上げと同時に実施の意向を固めたことがあったが、物価への悪影響を考慮して佐藤前首相の反対で見送られたいきさつがある。
したがってデノミを実施するにしても物価をはじめ国内経済の安定が優先するわけで論議を呼ぶことになろう。」
デノミ実施、今は疑問 日銀総裁
佐々木日銀総裁は…「ちょっと驚いた」と前置きして「今のように通貨問題でガタガタし、インフレが重大問題になっているときを選んでやることは疑問だ」と反対の意向を明らかにした。
佐々木総裁は、フランスが1958年にデノミを実施したときも、ドゴール大統領が登場し、政治、経済が安定する見通しがついてから踏み切った例をあげ、落ち着いた環境が必要条件であるとしている。
しかしデノミそのものについては「スジとして反対はしない。出来るときにはやる値打ちのあることだから、検討しておく必要はある」と語った。
これは、時期はともかくとして政府、日銀がタイミングを見て将来のデノミ実施に傾いていることを示した発言とみられる。
庶民にとっては、デノミは物価値上がりのきっかけになるだけの話なので政府、日銀の態度が注目される。
※※地価暴騰についての記事
「…この1年間の値上がり率は全国平均で市街地が30.9%、住宅地域33.3%で、ことし3月の市街地価格は30年の22.9倍(消費者物価は2.1倍)に達した。
…一方、35年から47年までの農地の値上がりは田が7.25倍、畑が10.33倍で、農産物の生産者価格の2倍を大きく上回っているが、これは農地に対する転用期待価格が形成されているからだ、と説明している。
…(経済企画庁の)報告書は”庭付き一戸建ての持ち家”という国民感情は考え直す時期にきている、といっている…が、反省を求められ、発想の転換を迫られるのはささやかな住宅の夢を抱く庶民よりも、地価抑制に無力だった政府であり、土地問題で大きな影響力を持つ企業であろう。
…それにしても、『土地を持つ者と持たない者』との差をどうするか、という社会問題に発展しかねない難題を含め、今後土地問題はさらに大きな論議を呼ぶことになろう。」
※※※石油節約キャンペーンについての記事
業界の団体である石油連盟の広報委員会が8月中旬の委員会で決定し、手始めに節約を呼びかけるポスターを10月から全国4万5千か所の石油スタンドに掲げることにしたもの。
「資源不足時代に入って、石油業界もこれまでの量販がすべてという姿勢を転換し、まず不要不急のマイカーにガソリン消費節約を訴える」というのが石油連盟の説明だ。
しかし、このキャンペーン開始については「ガソリンの余剰在庫、輸入差益など石油製品を値上げしにくい事情を抱えた業界が苦肉の策として考えた値上げの環境づくりではないか」との声も出ている。
出典:福井新聞縮刷版 1973年10月上
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