2023年1月25日、最高裁判所は、
2021年に行われた衆議院議員総選挙の「一票の格差」をめぐる裁判で、
「合憲」とする判断を示しました💦
「一票の格差」ってよく聞きますけど、
何が問題なんでしょうか?
何が憲法に違反しているんでしょうか?
なぜ最高裁判所は憲法に違反してないよ、と言ったんでしょうか?
それについて今回は取り上げてみました(;^_^A
※マンガの後に補足・解説を載せています♪
〇「一票の格差」とは?
今回の裁判を起こした弁護士グループは、
裁判を起こした理由について、次のように述べています。
「『1人1票』を要求する憲法に違反している」
「国会議員の多数決の結果が、国民の意思と一致していない」
どういうことでしょうか?
まず、①1人1票を要求する憲法に違反している、ですが、
憲法を見ても、「1人1票」とはどこにも書かれていません。
選挙について憲法に書かれているのは、
「成年者による普通選挙」
「投票の秘密」
だけです。
なので、関係がありそうな条文は、
12条の「法の下の平等」ということになります。
これは、法律では全ての人を平等に扱いますよ、ということです。
選挙に関する法律は、「公職選挙法」です。
公職選挙法を見ると、第36条に「投票は、各選挙につき、一人一票に限る」とあります。
みんな1人1票と書いてあるのだから、平等に扱っているのでは?と思いますが、
弁護士グループの方たちは、
「その公職選挙法に書いてある選挙の区分けがおかしいせいで、
実際は1人1票になっていない」と言うのです。
現在、衆議院小選挙区は、例えば東京は25区、鳥取は2区に分かれており、
東京からは25人の国会議員が選ばれ、鳥取からは2人の国会議員が選ばれることになっています。
東京は鳥取の12.5倍も国会で投票権を持つ代表者(国会議員)を出せるわけですが、
有権者(投票できる人。つまり成年者)は、東京は鳥取の24倍いるのです。
本当は48人代表を出せるはずなのに、約半分の25人しか代表を出せていない。
これでは投票券は半分の価値しかないじゃないか…。
この状態を、弁護士グループは
「東京の人は鳥取の人と比べ、投票価値が半分しかない。本当にこのままでいいのか」と言います。
そして、このようにズレがある状態だと、国民の多数意見=国会議員の多数意見とならない、これでは国民主権ではなく、国会議員主権になる、というのです。
とてももっともな感じがしますが、
反対意見もあるのです。
なぜかというと、多数意見=人口の多い都会の意見、になります。
そうなると、都会を重視した政策ばかり取られて、地方はなおざりにされてしまいます。ただでさえ立場が弱いのに。ますます人が都会に行っちゃいます。
弁護士グループの言っていることももっとも、
反対意見ももっともです。
そうなると、選挙制度がまずい、ということになります。
例えばアメリカでは、上院と下院に分かれていますが、
下院は人口比で議員が決められるのに対して、
上院は、人口に関係なく、各州で2名ずつ選ばれます。
つまり、下院は都会有利、上院は地方有利と、バランスを取っているわけです。
日本の参議院は、衆議院のコピーで、意見の違いが見られない、無駄だ、という意見もあるのですから、日本も、このようにするといいと思うのですが、いかがでしょうか…。
※ちなみに、自民党の憲法改正案では、
「各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」とし、人口を「基本」として、他の様々な状況も総合的に判断して選挙区割りを決める、としているので、このように憲法が改正されると、今の状態の選挙は「違憲」とは言えなくなります。
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