市町村合併などを機に、新市町村名に旧国名をつけるパターンが
ほぼ全国的に見られます。
前回は京都府編をやりましたが、
今回は、第6弾、旧国名が「摂津・河内・和泉国」の大阪府編です!
大阪府は平成の大合併では1件(堺市)しか合併がなく、
独立色の強い府です(;^_^A
(つまり、歴史の長い市町村が多い)
でも財政とかが心配になります。。大丈夫なんでしょうか…??💦
※マンガの後に補足・解説を載せています♪
〇摂津・河内・和泉
★摂津…「難波津を管理する」という意味があるそうな。
★河内…「淀川の川の内の方」という意味。
★和泉…『日本得名』には、「彼国清水多く出る処なれば、和泉と号す、和泉は水の名なればけり」とあり、清水が多く湧き出たところだったから。
もともとは「泉」だったが、713年に国名は二字というお達しが来たので「和泉」となった。757年に、河内国から分離して独立した。
825年に、摂津国から現在の大阪市域が和泉に編入されようとしたが、地元民の反対でその話は消滅したらしい。(『日本紀略』)
〇摂津市
1966年、三島町が市になるにあたって「三島市」としたが、
1941年にすでに静岡県に三島市が誕生していたため、
その日中に「摂津市」に改名したという(;^_^A
しかし一方で、新市名は公募されていた、という情報もあり、
よくわかりません。
その情報によれば、新市名は公募され、重複が多かった応募作品順に、
千里丘市・摂津市・淀川市・摂津三島市・鳥飼市・淀市・新三島市・千里市・新北摂市・北大阪市…となり、
最終候補に残ったのは摂津市・三島野市・北大阪市。
その中から摂津市が選ばれたということです。
「三島市」はもともと応募作品でもなかったようですから、
Wikipediaに載っていた情報はデマ…??
しかし「摂津市」とは大きく出たものです(-_-;)
「摂津」は大阪北部だけでなく、兵庫県南東部も含みます。
国府があったのならまだわかりますが、
国府があったのは大阪市。
中心地でもなかったのに「摂津市」を名乗るとは…(◎_◎;)
「摂津三島市」でよかったのでは!?
それか、応募上位だった千里丘市…。
(千里丘は摂津市・吹田市に広がる丘陵を指す言葉で、千里ニュータウンは吹田市・豊中市にある)
〇河内長野市
1954年、長野町・三日市村・川上村・天見村・加賀田村・高向村が合併して成立。中心部であった「長野町」を使用し「長野市」としたが、長野県長野市と重複するので、「河内長野市」となった。
〇河南町
1956年、石川村・白木村・河内村・中村が合併して成立。
由来は確かではないが、河内地方の南部にあるからであろう。
〇和泉市
1956年、和泉町・北池田村・南池田村・北松尾村・南松尾村・横山村・南横山村が合併して成立。
合併の中心となった「和泉町」の由来は、昔、和泉国の国府があったということから来ており、正統性がある。
1966~1967年、深刻な財政難から、堺市・泉大津市との合併が持ち上がるが、消滅する。
その後は公民館などに設置されていた市役所出張所を廃止するなど懸命な努力をするが、
1968年、財政再建団体の指定を受けてしまう。
その後、財政状態は好転し、1970年に指定は解除された。
〇泉大津市
「大津」は、紀貫之の『土佐日記』に「行けどなお、行きやられぬは妹がうむ小津の浦なる岸の松原」とあるのに由来するらしい。
1942年、大津町から大津市となった。しかし、1898年にすでに滋賀県大津市があったので、「泉大津市」とした。
地元の人は単に「大津」と言っているらしい。
ちなみに人口は7万人、大津市は34万人である。
〇泉佐野市
ふるさと納税でいろいろ問題となった泉佐野市。
狭い原野が広がっていたことから、「狭野」、転じて「佐野」となったという。
1948年、佐野町が佐野市となったが、
5年前に栃木県の佐野市が成立していたので、その日中に「泉佐野市」と改名した。地元の人からは単に「佐野市」と言われるという。
ちなみに人口は10万人、佐野市は11万といい勝負。
泉佐野市は財政難が続き、2004年には、財政難を解決するために、
周辺の泉南市・阪南市・田尻町・岬町と合併を図るが、
泉佐野市を除く住民投票では、岬町以外の市町で反対票が圧倒的に多く(田尻町では88.4%の反対)、(というより関心も低く、田尻町以外では投票率は40%程度しかなかった。田尻町は68.5%。田尻町は比較的健全財政であったため、泉佐野市といっしょになって苦しい思いはしたくないという考えがあったのだろう)破談となった。
ちなみに新市名は公募されており、
南泉州市・りんくう市・泉州南市・泉州市・関空市が最終候補となり、
最終的に「南泉州市」が選ばれていたが、幻の市名となった。
合併にも失敗した泉佐野市は、2009年、ついに財政健全化団体に指定されてしまう。
そこで泉佐野市は、
2012年、市の命名権を販売するという荒業に出る。
「paypayドーム」などのアレを、市名でもやろうというのである。
(命名権[ネーミングライツ]は、2003年の「東京スタジアム」→「味の素スタジアム」に始まる)
例えば「ソニー」が買ったら「ソニー市」になっていたのである。
「株式会社 人間」が買っていたら「人間市」に(入間市みたい)、
「株式会社 トラパンツ」が買っていたら「トラパンツ市」に、
「株式会社 俺の」が買っていたら「俺の市」に、
「楽しい株式会社」が買っていたら「楽しい市」に、
「株式会社鉄人化計画」が買っていたら「鉄人化計画市」になっていたわけですね(;^_^A
日本経済新聞には、住民の意見として、
「斬新なアイデアだとは思うが、外国企業に買われてカタカナの名前になったら住みたくなくなる」「プロ野球球団と地元自治体との関係のようになればいい。今のままでは財政再建の道は見えない」…というのがあった。
ちなみに、1か月待ったが応募はゼロであった。
泉佐野市にある末広公園は地元企業の車販売会社、マンデーが買い取り、「マンデー末広公園」になった。
ちなみに令和4年度~令和6年度までの3年間の契約で、
1年につき50万円の契約。
泉佐野市は2011年に市長となった千代松大耕氏のふるさと納税政策などで財政は好転し、
2014年に財政再建化団体の指定が外れた。
〇泉南市
和泉邦南部を意味する「泉南郡」から。
1970年、泉南町が泉南市となる。
※また、1967年まで河内市があったが、同年に布施市・枚岡市と合併して東大阪市になり、消滅した。
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