社会って面白い!!~マンガでわかる地理・歴史・政治・経済~: 旧国名が市町村名!~京都府編~京都ブランドのすごさ

2023年1月19日木曜日

旧国名が市町村名!~京都府編~京都ブランドのすごさ

 市町村合併などを機に、新市町村名に旧国名をつけるパターンが

ほぼ全国的に見られます。

前回は静岡県編をやりましたが、

今回は、第五弾、旧国名が「山城・丹波・丹後国」の京都府編です!

京都にあやかりすぎ!!(;^_^A

※マンガの後に補足・解説を載せています♪


〇山城国・丹波国・丹後国

山城ははじめ「山背」(平城京から見て山の後ろ)であったが、794年、平安京遷都の際に、

桓武天皇により「山城」(周りが山になっていて自然の城になっている)に変更された。

この後、それまで「じょう」や「き」と呼ばれていた「城」を、

「しろ」の当て字で使用したため、「しろ」とも呼ぶようになったという。

丹後国ははじめなく、713年に丹波から分立し、丹波の後ろの国ということで、「丹後」となったという。

(丹「後」はあるのに、丹「前」は無い珍しいパターン)

〇京丹後市

2004年、網野町・丹後町・弥栄町・峰山町・大宮町・久美浜町が合併して成立。

日本に他に「丹後市」は無いのに、なぜ「京」をつけるのかというと、

①合併時に「丹後町」があったので、それと区別するため。

(丹後町に吸収合併されたイメージになるから)

ちなみに市役所があるのは旧峰山町であり、人口が最も多いのは旧網野町である。

旧丹後町の人口は合併した町の中で下から2番目。

旧丹後町の歴史はまぁまぁ古く、

1955年に、 間人町・豊栄村・竹野村・上宇川村・下宇川村が合併して成立している。

②「京」をつけるとイメージアップになるから(;^_^A

新市名は公募され、合併協議会委員により、

まず「丹後市」「たんご市」 「京丹後市」 「京たんご市」 「北丹後市」 「北丹市」 「北都市 」「北京都市」「羽衣市」「峰山市」の、重複の多かった上位10案にしぼられ(1位は「丹後市」、2位は「北丹市」、3位は「京丹後市」であった)、

そこからさらに、「北都市」(読み方は「ほくとし」)「丹後市」(もしくは「たんご市」)「京丹後市」(もしくは「京たんご市」)の3つにしぼりこまれた。

「北都市」

・京都の北の都として発展していくように願って。

・新しい「市」になるに際し、新しい名称でスタートすべき。

「丹後市」

・丹後半島に位置し、地域住民や観光客になじみ深いから。

・6町に共通しているなじみ深い名前だから。

・由緒ある歴史と地名を残したいから。

・丹後のブランドを作るには、丹後という名称ははずせない。

「京丹後市」

・丹後という地名がなじみ深く、加えて京都の丹後ということが一目瞭然となりわかりやすい。

・京を付けることにより丹後のイメージアップが図れる。

公募の重複が最も多かったのは「丹後市(たんご市)」で、2位の3倍近くあった。

委員49人で投票をしたところ、

「北都市」7 票、「丹後市」10 票、「京丹後市」30 票で、「京丹後市」に決定した(無効票2)。

続いて、「京丹後市」がいいか、「京たんご市」がいいか、

投票をしたところ、

「京丹後市」24票、「京たんご市」24票で同数となった(無効票1)。

再投票の前に、漢字を推す理由、ひらがなを推す理由について話し合った。

<漢字派>

・漢字にすると、ひらがなにしても、カタカナ表記にもできるが、ひらがなにしてしまうと、平仮名だけに限定されてしまう。

・ひらがなだと、「たんご」はどこかイメージしにくい。

・子どもは短いのや、簡単なのを好み、難しいのは覚えなくなる。子どもを甘やかさず、漢字にして難しくても覚えてもらえるようにする。

<ひらがな派>

・「後」には暗いイメージがある。

・「たんご」にすると、いろんな意味にとれるようになる。「端午の節句に丹後でタンゴを歌おう」…。

・「た」に点々をつけると「だんご」になり、非常にユーモアのある言葉にもなる。

・やわらかくて馴染みがあって非常に書きやすい。

・東京の人としゃべっていて、「丹後」はどんな字ですか、と言われて、「ひらがなです」と言えたら楽だと思ったから。

・「京丹後市丹後町」になると、「丹後」が続いてしまう。

・新しいチャレンジの意味を込めて。

・丹後を離れる若者は、「丹後」がなんとなくのしかかっている感じがすると言っている。

その後、再投票となったが、再び同数となってしまった。

くじにするという案もあったが、くじを引く人の責任が重すぎる、将来に禍根を残す、ということになって再び投票することになり、

そして再々投票が行われたのであるが、

漢字31票、ひらがな18票で大差となり、漢字で「京丹後市」に決定した。

名付け親賞として、「京丹後市」と書いた人から抽選で1名に、

10万円分の旅行券、

10名は優秀用として、1万円分の図書券が贈られた。

また、ユーモア賞に選ばれたのは、

「丹後市」「北都市」「丹後王国市」「七姫市」「いらっしゃいま市」の5点で、

5千円分の図書券が贈呈された。

公募された作品をいくつか紹介すると、

「七姫市」…丹後には乙姫、羽衣天女、間人皇后、静御前、小野小町、細川ガラシャ、安寿姫の7人の姫にまつわる電照が残されていることから。なので「竜宮市」・「おとぎ(御伽)市」・「おとぎばな市」・「うらしま市」などもあった。

「羽衣市」「はごろも市」…丹後には最古の天女の羽衣伝説があることから。

「ちりめん市」「丹後ちりめん市」…丹後地方の絹織物を指す。京丹後市・与謝野市が主な産地で、なんと日本の着物の6~7割を生産している絹織物王国。なので「シルク市」というのもあった。

「天橋立市」というのもあった。それはお隣の宮津市にあるのですよ…(;^_^A

他に「ウルトラ市」・「北にある市」・「ネクスト(NEXT)市」・「天統夢市」(てんとうむし)・「六町合併1市」などのおふざけ意見もあった。

ユーモア賞を狙ったんだろうか??😓

〇南丹(なんたん)

2006年、園部町・八木町・日吉町・美山町が合併して成立。

丹波国の南部という意味。

新市名は公募され、その中から

「南丹市」・「西京都市」・「京丹波市」・「京南丹市」・「京口丹市」(きょうくちたんし)の5案に絞られた。

※重複が最も多かったのは「西京都市」、次に「南丹市」「口丹波市」「京丹波市」「京南丹市」だったが、口丹波市ではなく、9位の「京口丹波市」の方が候補に選ばれた(投票で1票差で敗北)。

(「口丹波」とは、丹波の南地方、京都に近い方の丹波のこと)

その後、合併協議委員により投票となり、

「南丹市」21票・「西京都市」17票・「京丹波市」1票・「京南丹市」1票・「京口丹市」0票となり、

(ちなみに2004年に、お隣兵庫県に「丹波市」が先に成立済みであった。さらにちなみにお隣りが先んじて「京丹波町」となっていた。それを知りつつ「京丹波市」に投票した人はいったい…😰)

「南丹市」「西京都市」で決戦となった。

すると、「南丹市」23票・「西京都市」17票で、「南丹市」が「西京都市」をわずかに上回り、「南丹市」となった。

アイデンティティが守られてよかったね( ;∀;)

京都の植民地になるところでした…(笑)

あと、応募作品の中には「大日本京都市」というのもあった(;^_^A

…というか、「京」がつく応募作品が多かった。。アイデンティティ…。

南丹市は、丹波国の中心であり、古代は国府が置かれ、中世は守護所として八木城があった。

江戸時代には「園部城」「園部藩」があり、明治時代、廃藩置県によって一時「園部県」となった。

…という過去があるのだから、「園部市」で良かったのではないかと思う。。

(応募も6位だったし)(市役所も園部町にあるし)

(園部町に吸収合併される感じで嫌だったのか??)

〇京丹波町

2005年10月11日、丹波町、瑞穂町、和知町が合併して成立。

旧丹波町は1955年から丹波町を名乗っていた(須知町・高原村が合併)。

丹波牛などの生産地。

〇南山城村

1955年、大河原村・高山村が合併して成立。

茶畑が広がり、日本三大茶の1つ、宇治茶を生産している。

過疎地域にもなっており、なぜ他と合併しないのか気になるが、

平成の大合併のころは、木津川町などと合併する予定があったが、

南山城村などと合併を進めていた木津川町長が公職選挙法で捕まり、

代わって、南山城村などを含まない合併を公約した人が当選したため、

合併に乗り遅れる形となってしまった。

合併特例期間は2005年3月で終わったものの、今からでも合併した方がいいのでは…?(;^_^A

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