第一次中東戦争の影響により、日本に入るガソリンは削減されることになり、
日本は次第に慌て始めます。
そのなかで、当時の様子がよくわかるコラムがありましたので、
それを今回は紹介しようと思います(;^_^A
※マンガの後に補足・解説を載せています♪
〇車社会(モータリゼーション)の進展とガソリン
戦前の1940年、日本の自動車の保有台数は15万台にすぎませんでした。
(アメリカは3245万台💦)
それが高度経済成長を経て、1973年には保有台数は2450万台まで爆上がりします。
たったの33年で163倍までふくれあがったわけです。
それでも自家用車を持っている人はまだ少なく、
1969年までは乗用車よりもトラックの数の方が上回っていました。
(乗用車693万台・トラック773万台)
それが1970年代には逆転(乗用車878万台・トラック828万台)し、
1973年には乗用車はトラックの1.5倍までになりました。
(乗用車1447万台・トラック981万台)
当時の人口は1億910万人なので、7.5人に1人は自家用車を持っていたことになります。
1969年には14.8人に1人だったことを考えると、すさまじい伸びです。
急速な車社会の進展で、ガソリン消費量の伸びも著しいものがあり、
1957年には351万キロリットルだったのが、
1973年には2722万キロリットルまで激増しています。約8倍です。
ガソリン価格は1965~1972年の期間は1リットル50円台と安く、
それもあって省エネなんてなんのその、ガソリンを湯水のごとく使っていたわけです。
現在(2023年4月)は1リットル160円台ですからね(;^_^A
しかし、サラリーマンの平均年収は当時146万円であり、2019年の436万円と比べると3分の1なので、今とほぼ変わらないですね…。
(ということは今もガソリンは湯水状態なのか??)
しかし、石油危機を経て、ガソリン価格は1975年に1リットル112円まで暴騰した一方、
1975年の平均年収は203万円だったので、
今でいうと1リットル=241円というイメージになります(◎_◎;)
これはしんどい!💦
今は安いですねぇ…(;'∀')
<今回のマンガに関連する新聞記事>(『福井新聞縮刷版1973年10月下・10月27日夕刊より)
〇”ガソリン欠乏時代”の到来
”ガソリンの一滴は血の一滴”などという標語は、昭和1ケタ以前の人間にしか記憶されていまい。第二次大戦中、極端に不足したガソリンの貴重さを認識するために流行させられた標語である。そんな時代に自家用車を持ち、ガソリン不足が直接日々の生活に影響したわけではないが、妙に生々しく頭のどこかにこびりついている。
それが、戦後は一変した。町中に車がはん乱し、ガソリンスタンドが林立した。少しでも多量のガソリンを使わせるために、スタンドでは車の持ち主にいろんなサービスをする。盆、暮れの粗品から無料洗車まで、まさに至れり尽くせりのスペシャルサービスである。
ガソリンには高い税金がかかっている。1リットル60円前後という価格も、決して安くは無い。だが車の持ち主は、それこそ水をたれ流すような勢いで、ずいぶん思い切ってガソリンを使っている。新車を買う場合、いかにガソリン消費量が少ないかも1つの判断材料にはなるが、それはほとんど取るに足らない材料でしかない。その証拠には、車への要求は”より速く””より美しく””より大きく”などの要素が、常に上位を占めてきている。
石油不足、原油値上げが影響して、スタンドのガソリンも1リットル100円という時代になりそうだという。むだ遣いに慣れた若い人々にバチが当たるのだ…という年寄りもいる。バチかどうかはともかく、再び30年も前の”ガソリンの一滴は血の一滴”を思い返さねばならない時代が到来したようだ。
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