お待たせしました💦
社会契約論マンガの更新がだいぶ延び延びになってしまいました😓
前回のマンガが10月8日なので、約20日ぶりですか💦
時がたつのは早い…💦
前回(社会契約論⑤)では、
国は立法権と執行権(行政権)の協力によって成り立っており、
それぞれの仕事を奪おうとしたら、国は崩壊してしまうので、
人民は立法権(法律を作る)を、政府は執行権(行政権)(法律を実行する)の範囲を守って仕事を行うことが大切だ、
ということについてやりました。
今回は執行権(行政権)を担当する政府についての話をしようと思います♪
(『社会契約論』では第三編第3~6章部分にあたります。これでだいたい半分まで来ました(;^_^A)
※マンガの後に補足・解説を載せています♪
〇最良の政府の形とは?~ルソーはかく語りき
独裁政治である君主政をこきおろすのはわかるのですが、
人民のほぼすべてが行政に参加するやり方である民主政が一番いいと思いきや、
ルソーは「民主政は必ず腐敗する」というんですね。
法律を作るし、法律も実行するし、となったら、
必ず自分の利益を考えて法律を作るようになってしまうからだ、というのですね。
例えば部活で練習で部員が疲れている、監督がアイスでも食べるか、と言って部員たちをスーパーに連れて行ってアイスをおごってあげる。
しかし、監督がアイスを食べることを提案するだけでなく、自分で買ってくることもしたら、
監督好みのアイスを優先して買ってきて、苦手なアイスを食べることになる部員が出てくるかもしれません。
ですから、法律を作って、企画立案はするけれど、実際やることには手出しをしないよ、というのがいいのです。
また、ルソーは「民主政ほど、内乱・内紛の起こりやすい政府はない」と言います。
「船頭多くして船山に登る」という言葉もあります。
指示を出す人が多すぎると混乱しますし、多くの人でやると長い時間がかかります。
リーダーがいる君主政のほうがまだ安定するでしょうが、
君主制は「みんなのやりたいこと(一般意志)」を重視してくれません。
では、どうするといいのか。
ルソーは、「貴族政」を推します。
貴族政というと何か変なものをイメージしてしまうのですが、
まぁ現在の政府の形もこれにあたるでしょう。
貴族政は一部の者が行政を担当するので物事がスムーズにいきます。
そしてルソーは行政官は選挙でえらばれるのがいい、と言います。
選挙では見識があり、能力がある人が選ばれるからだと。
現在の日本だと、行政のトップ(大臣)は選挙で選ばれた人ですが、
国家公務員(官僚)は試験で選抜された人たちです。
試験で選抜される国家公務員はまだ能力が保証されていますが、
一方行政のトップ(大臣)は選挙でえらばれながら、疑問符が付く人が多いですね😓
ルソーは「共和政(君主政ではない政府のこと)で愚かな者が政府を担当することはまれである」と言っているのですが…💦
立候補者の質が悪いのか、有権者の質が悪いのか。
利権団体(利益集団・圧力団体)などが組織票を持っているのも良くないことだと思います。
(ルソーも第四編第1章で、「小さな集団が大きな社会に影響を及ぼし始めると、人民の共同の利益は損なわれる」と言っています。組織票は禁止しなければいけません…。投票は誰かに言われて投票する相手を決めるものではありません。各個人の意思にゆだねるべきです)
また、もう一つ良くないことは、行政のトップ(大臣)が国会議員でもあるということです。
国会議員は法律を作ること(立法権)を担当しています。
これでは法律も作るし、実行もする、ということになり、
自分たちに都合のいい法律を作るでしょう。
ルソーは「必ず腐敗する」と言いましたが、まさにその通り…(;^_^A アセアセ・・・
国会議員と大臣は分離しなければいけません。
また、ルソーは、貴族政でも「執行権の一部が法律(主権者)から離れやすくなることに注意しなければならない」(第三編第5章)と言っていますが、
最近でも国葬について、政府が独断で開催を決定しましたが、
政府は1999年にできた内閣府設置法の第4条3の33に「国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること」を担当する、と書いてあることを独断の根拠としました。
これは法律(立法権を担当する国会)を作って決めるべきことを、
行政権が奪ってしまった例といえるでしょう。
行政権の担当は法律(国会)で決まったことを実行するのであって、
国会で国葬が決定した、それを担当するのは政府ですよ、という意味の法律のはずです。
「国の儀式を担当する」とはあっても「国葬の実施を決定する」とは書かれていないのですから、政府の言っていることはおかしいのです。
そもそも国のお金を使うことを政府単独で決めていいわけがないのです😔
次回は、「国会」についてルソーはどう考えていたか、という話をしようと思います!
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