社会って面白い!!~マンガでわかる地理・歴史・政治・経済~: 旧国名が市町村名!~山梨県編~

2022年12月14日水曜日

旧国名が市町村名!~山梨県編~

 市町村合併などを機に、新市町村名に旧国名をつけるパターンが

ほぼ全国的に見られます。

前回は石川県編をやりましたが、

今回は、第三弾、旧国名が「甲斐国」の山梨県編です!

※マンガの後に補足・解説を載せています♪


〇甲州市

甲州市は2005年に塩山市・勝沼町・大和村が合併して成立しました。

当初は、左隣の山梨市・牧丘町・三富村とも合併する予定でしたが、

この3市町村は、この3つだけで合併して山梨市となりました。

(旧山梨市はだいぶ昔からあって、1954年には旧山梨市が合併して成立しています。

その時合併した町村の1つに、山梨村があり、これは1942年に合併してできています。

「山梨」市を名乗る理由は、「山梨郡」にあるからですが、

山梨郡にあるのは山梨市だけではなく、甲州市や、甲府市もそうなので、

「山梨」を独占して名乗るのはどうなんだろうな、と思ってしまいます💦)

塩山市・勝沼町・大和村が合併するにあたって、新市名は公募で決めることとなりましたが、

その時に集まった新市名名称候補を見ると、甲州市とはこういうところなんだ、というのがわかってきて面白いです😆

例えば「フルーツ市」「フルーツ山梨市」「グレープ市」「フルーツ王国市」からは、

フルーツが豊富にとれるところ、特にブドウが有名なのだとわかります🍇

(古いデータしかないのですが、2006年ではブドウ収穫量は日本2位となっています)

そして「甲州ワイン市」「ロゼワイン市」「ワイン飲め市」があるように、

ワインの生産も盛んな町です。

山梨県は日本の3分の1にあたるワインを生産しており、この割合は日本一です。

そしてそのワインづくりを山梨県で最初に行ったのが、勝沼町であるそうです。

ですから、「甲州ワイン市」を名乗ってもいいんですが、

笛吹市などもワインづくりがさかんなので、笛吹市などは黙ってないでしょうね(;^_^A

また、「一葉市」「樋口一葉市」「一葉果物市」「竹くらべ市」と、樋口一葉関係の応募があったのは、

樋口一葉の両親が甲州市出身だからだそうですね💦

あと、後で述べる甲斐市と同じく甲州市も武田信玄関連の応募が多かったのですが、

「武田氏」の発祥の地はは茨城県ひたちなか市武田だそうです(;^_^A アセアセ・・・

(源義光[新羅三郎として有名]の三男として生まれた源義清は、

武田郷を与えられたが、大掾盛幹との抗争に敗れ、甲斐国に流されたのだという。その後、市川三郷町を本拠としつつ、北杜市に若神子城を作った)

最終的に、

「3市町村に共通し、今後住民が共有できる名称である」

「全国的に知名度が高く、アピール性がある」

「応募総数の約40.6%を占めており、これを選定するのが最も民主的である」

などの理由から、甲州市に決定されました。

甲州市に応募した1388人の中から抽選で選ばれた50名に合併三市町村の特産品(ころ柿・甲州種ワイン・不動尊みそのいずれか1つ)を記念品として贈呈されています。

新市名を公募するにあたって、旧市町村名での応募はNGとされたようなのですが、

昔からの歴史ある地名は残してほしかったところです(-_-;)

自分としては、知名度も高い「勝沼」を使用した勝沼市、もしくは甲州勝沼市などにしてほしかったな、と思います🍇

〇甲斐市

甲斐市は、2004年に竜王町・敷島町・双葉町が合併して成立しました。

その際に新市名を公募しましたが、

一番重複が多かったのは「釜無市」でした。

これは富士川の上流部分である釜無川が流れているからですが、

釜無川は多くの市町村に渡って流れているので、

他の市町村に配慮して採用されなかったのかもしれません💦

実際、最終候補に残った5つ(甲斐市・峡中市・みこま市・みつば市・みどり野市)に入っていません。

他に、27票重複した、「信玄堤市」は、武田信玄が竜王町に作った有名な信玄堤に由来しています。

これなんかはオリジナリティーがあってよかったかもしれませんね。

「北アルプス市」という応募も22票もありましたが、

北アルプスは飛騨山脈のことで、飛騨山脈は山梨県にはないので、

おそらく南アルプス市の北東にあるからなんでしょうが、

北アルプスの方たちから猛烈に怒られるでしょう(;^_^A

「中央アルプス」も6票あったんですが、

中央アルプスは木曽山脈で、これも山梨県とは関係なく、

何をもって中央アルプスと応募したのかはナゾです(;'∀')

応募の中に「パラダイス銀河市」というのがあって、光GENJIのメンバーが甲斐市生まれなのか、

と思って調べたら、何の関係もありませんでした( ;∀;)

甲斐市の応募を見ると、ふざけ半分のものが非常に多くて、見てて面白いんですが、

真剣さにかけていて、なんだかいやな気持になります…(-_-;)

最終的に、「甲斐市」が次の理由から選ばれます。

「甲斐市」で応募した68人の中から、1名に10万円分商品券、10名に1万円分商品券、「甲斐市」以外の最終候補5点に応募した人の中から20名に、5千円分商品券が贈呈されました。)

「「山梨を代表する、また、リーダー的な市であってほしい」との願いが込められています。」

「 歴史的に有名な名称です。昔から甲斐の国として広く知られ、山梨県中央部に位置する新市にはふさわしい名称です。」

「地域が地理的にイメージできます。」

「生き甲斐、遣(や)り甲斐などの用語もあり、元気のでる名称です。」

なんだか甲斐市である必然性は弱く感じられますね(;^_^A

例えば福井県の越前市は、昔国府のあったところなので、わかります。

しかし、甲斐市は、甲斐国の中心だった歴史はなく、「甲斐」を独占するのは違和感があります💦

やはり、どれも巨摩軍にあるので、「巨摩市」がよかったんではないかな、と私は思います…(;^_^A

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