前回の社会契約論マンガは12月22日に公開していたので、
比較的早く更新できました(;^_^A
まぁ、前回の分を書いてた時、大事な内容すぎて、
1Pにおさまりきらなかったため、
アップできなかった分が残っていたというだけなんですが💦
前回のマンガでは、
現在の日本では主権(政治の決定権。ルソーは法律を作る力とする)は国民にあるが、
憲法にも書かれているように、その主権は国民の代表者である国会議員が代行している、
しかしルソーは主権は代表(代行)させてはならない、
一部の人間が全体の意思を代弁できるわけがない、
国会議員に政治を任せると、一部の人間の意志(特殊意志)によって政治を動かされることになるからよくない、
人は「一般意志にしたがう」義務はあるが、「特別意志に従う」義務はないのだから、
国民が参加していない法律は無効だ、とルソーが語った、ということについてやりました。
今回はその続き、国民が政治に無関心であると良くないことについてルソーが述べている部分です🔥(今回のマンガで取り扱うのは、第三編第15章部分になります)
※マンガの後に補足・解説を載せています♪
〇政治を国会議員任せにしてはならない~ルソーはかく語りき
国会議員は本当に「国民の代表」であるならば、個人や政党の意見で
法律案に対する賛否を決めて投票するのではなく、
自分を選んだ地域の住民の意見を集めて、その多数意見でもって国会で投票すべきです。
しかし、実際にはそのようになっていません(-_-;)
では、どうすれば国民が参加して(国民の意見が取り入れられて)
法律が作られるようになるのでしょうか?
1つは、地方選出議員は、政党に所属しないことです。そうしないとその地域の声を反映させることができないからです。
ですから、現在の制度では、衆議院議員は政党に所属するべきではない、ということです。
参議院には全国区がありますが、これならば、政党に投票してもいいと思います。一部の声ではなく、全国民の声ですから、言うならば国民投票といっしょです。
話はそれますが、参議院の全国区選挙で多数を占めた政党が内閣を組織すれば良いと思います。
その内閣が「一般意志」に沿わないような法律案を作ったとしても、参議院よりもより地域の人々に密接に結びついているために、優越的な地位にある衆議院によって否決されるでしょう。
1つは、国会議員がきちんとこまめに選出された地域に戻り、意見を集め続けることです。
ですから、以下のように憲法は改正すべきです。
①衆議院議員は政党に所属してはならない。
②衆議院議員は法律案の議決までに、選出された地区の住民の意見を集約して公開し、法律案の採決の際は、その多数意見に基づいて投票をしなければならない。
しかし、以上の2点は現状では期待できないので、
実際に国民ができることとしては、「請願」や「陳情」があります。
現在の憲法では、国民に法律を作る力、変更させる力、廃止させる力はありません。つまり主権者なのに立法権はないわけです。
(一方、地方においては、「条例」を作ることを要求する権利、「条例」を変更したり、廃止したりする権利が、住民にあります。つまり、地方では立法権は議会だけにあるわけではなく、住民にもあるのです。このために、「地方自治は民主主義の学校」というのですね)
立法権はありませんが、請願することはできます。
憲法16条に「法律…の制定、廃止又は改正…に関し、平穏に請願する権利を有」する、とあるからです。
請願の仕方は、次のようになります。
①請願者の住所・氏名を明記した文書に、要望する内容を簡潔にまとめる。
②国会召集日~会期終了7日前までに、議員の紹介により請願書を国会に提出する。
③請願は内容に応じて適当な委員会に回され、本会議(もしくは内閣)で採択するべきものかどうか審査される(議事は「過半数の賛成」が必要と国会法にあるので、過半数の賛成が必要とはなりますが、国会法には別に「議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。」とあるので、20人以上の紹介があれば、委員会は必ず通過できるようです)。
(ちなみに2022年1~6月に開かれた208回国会衆議院で採択された請願[9件]は全て内閣に送付されています)
請願は内閣に送付されたとしても、国会法に「内閣は、前項の請願の処理の経過を毎年議院に報告しなければならない。」とあるだけで、必ず請願内容を実行しなければならないわけではありません。
また、請願は、208国会衆議院で採択された請願で最も多い署名数が24万名であることからわかるように、少数者の意見を届けようとするものでしかありません(少数意見の尊重のためのシステム?)。
やはり、法律案について、毎回国民の声を吸い上げるやり方が適当でしょうが、
こう思う人もいるかもしれません。
「いちいち意見を国会議員に伝えなければいけないの?
こっちは仕事で忙しいんだよ、そんな暇はないよ。
政治の事は政治家に任せればいいんだよ」
しかし、ルソーはこう言うのです。
「市民の主な仕事が公務ではなくなり、税を払う方を好むようになると、
国は滅亡に瀕している。
そうなると、兵士としてではなく、金を払って軍隊に任せるようになり、
政治も代議士に任せるようになる。
商業や工業に熱中する市民は、国への奉仕を税金で代用する。
奉仕の代わりに利益を増やし、その一部を国に支払う。
しかし、そのように任せきりになると、自由を制限されることになるだろう。
国の事について、『それが私に何の関係があるのですか』と言い出すようになったら、すでに国は滅んだといってよい」
政治家任せにすると、政治家にとって都合のいいように政治をされ、自由を失っていくことになるのだと。
政治に関心を持つようにしなければなりません。
しかし、政治アレルギーな人は多く、
Twitterでも、「政治関係のアカウントはフォローバックしません」というアカウントがあります。
政治家にも責任があります。
政治家は、主権者である国民が政治に関心を持つようにしなければなりません。
しかし、悪い政府にとっては、国民が政治に無関心な方が、政治家のための政治ができるようになるので、都合がいいのです。
ルソーはこうも言っています。
「悪い政府だと人々の足は集会に向かない。
集会で決議されることに関心を持たないからだ」
つまり、今の政府は悪い政府なのでしょう💦
次回では、行政権の拡大と、それを防ぐ方法について述べた部分について紹介したいと思います!
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